「世界観(せかいかん)」とは【誤用・意味・使い方】
○世界と人生の意義に関する全体的な考え方・見方。包括的な人生観
×創作物の世界設定や雰囲気。登場人物の行動・ストーリー性に及ぼす法則性。作風。
「世界観(せかいかん)」は「ある人やある集団が世界をどう観ているのか・どう捉えているのか」ということを表す言葉であり、「創作物の世界設定や雰囲気」という意味で使うのは誤用です。
この言葉の意味は人生観に近いですが、人生観よりも対象とするものが広いのが特徴です。
「世界観」の「観」は、人生観・宗教観・恋愛観・価値観の「観」と同じもので、「あるものについての考え方・見方」を表しています。
しかし、「創作物の世界設定や雰囲気」という意味で「世界観」を捉えた場合、「観」という語が意味を為さなくなってしまいます。
また、「世界観」を「登場人物の行動や、ストーリー性を規定する法則性。作風」という意味で使うのも誤用です。いわゆる「お約束の展開」ですね。
遠山の金さんの展開にお白州で裁くシーンを必ず入れたり、コナン君が執拗に小五郎に麻酔針を打ち込んだりする行動などは、「世界観」という言葉で表せないため注意しましょう。
「創作物の世界設定や雰囲気」の意味の使い方を俗用として載せている辞書もありますから、いつかこの意味が正しいのものとして扱われるようになるかもしれません。
「感じ」の「感」と「観」を混同している人もいますが、「世界感」は誤字です。
「世界観」の例え・例文
○私と彼では世界観が全く違うので、よく口論になってしまう
○あの小説には、作者の世界観が良い具合に反映されている
×あの小説は世界観が魅力的だよねぇ
×この作品の世界観で人が死ぬのは有り得ないよ
「世界観」の言い換え・類語・英語表現
人生観・思想・信念・宇宙観
作品世界・舞台設定・世界・設定・雰囲気・お約束
worldview(世界観)
「世界観」の語源・由来
哲学者のイマヌエル・カントが『判断力批判』(1790年)』の中で、「世界観」という用語を初めて使いました。その後、時代とともに宗教・美術方面でも用いられるようになりますが、学術用語として頻繁に使われるようになったのは1900年代始めからです。
近年では、創作物の世界設定や雰囲気を指して使われる事が増えてきています。
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