「中抜き(なかぬき)」の誤用・意味・ピンハネとの違い
「中抜き(なかぬき)」の本来の意味は「中間業者を抜かして直接取引をする」ですから、「中間業者がピンハネする。上前をはねる」という意味で使うのは誤用です。
つまり、ピンハネをするの真逆の意味なのです。「中間業者が抜く(上前をはねる。ピンハネする)」ではなく、「中間業者を抜く(なくす)」と覚えましょう。
しかし最近は、旅行代理店・卸売業者・派遣会社などの中間業者を、誤った意味で「中抜き業者」「中抜き企業」と呼ぶ人が増えてきています。一方「中抜き現象」は、○の意味「中間を抜かして直接取引をする」で使われています。
「中抜き」を使う側と聞く・読む側のどちらかが誤った認識だと、真逆の意味で伝わってしまいます。 そうした誤解を避けるためには、前後の言葉をしっかり選ぶか、類義語に言い換えるようにしましょう。
「誤用とされている使い方は昔からあった」という指摘もある
「中抜き」は「中間業者を飛ばす」が本来で「中の者が中間マージンを取る」は誤用だという議論がSNSで盛り上がっていますが、2000年の時点での朝日・読売・毎日の記事を見ると、どちらもあります。「スリが財布の中身を中抜きする」の意味もあり、「昔からいろいろあった」と考えておきます。 https://t.co/7feYaB29dS
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) July 25, 2021
流通の報道では「中間業者を飛ばす」意味の「中抜き」がよく使われます。一方、〈住専返済で1億数千万円「中抜き」、不動産会社元社長らを書類送検へ〉(毎日2000.3.14 西部)など社会面では「差額をだまし取る」意味で使われます。別分野で使われていたことばが、それぞれ一般化したのでしょう。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) July 25, 2021
「中抜き」を使った例文・使い方・誤用例
「中抜き」は「中貫き」と表記することもできます。また、「中を抜き取る」「中間を省略する」「植物を間引いた後で再度間引くこと」という意味でも使われますが、○の「中間を抜かして直接取引をする」の意味で使われることが殆です。
「中抜き」の言い換え表現・類語・英語表現
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