○は正しい意味、×は誤った意味、△は正誤の判断が難しい意味に付けています。下記の正答率と誤答率は文化庁が行った「国語に関する世論調査」の結果です。
「○○○○の誤用・意味を解説」というのは個別記事へのリンクで、リンク先は別タブで開きます。
言葉の誤用【あ】
悪運が強い(あくうんがつよい)
○悪行を働いても、その報いを受けずに栄えること。
×不運な出来事に遭っても、被害を受けない運が強い。強運を持っている。
※悪事を働いた人間に使う言葉。×の意味を記載する辞書も増えてきている。
アダルトチルドレン
○ 問題のある家庭で育ち、その頃に受けたトラウマを抱えたまま成人した人。
×子供みたいな大人。
圧巻(あっかん)
○全体の中で一番優れた部分。
×段違いに優れた力を持っている。また、その力で他を押さえつける
※ただ優れているだけでは、この言葉の意味に当てはまらない。×の意味の言葉は「圧倒(あっとう)」。
雨模様(あまもよう・あめもよう)
○ 雨が降り出しそうな空の様子。
×雨が降っている空の様子・雨が降ったりやんだりする空の様子。
正答率43.3% 誤答率47.5%(平成22年度)
※×の意味を正用とする辞書も一部ある
あわや
○あと少しで、良くない事が起こりそうだった。
×あと少しで、良い事が起こりそうだった。
暗殺
○ 政治的・思想的立場の相違などで、要人をひそかに計画して殺害すること。
× 暗いところで隠れて殺害すること。
※殺害直前までは目立たないようにして、白昼堂々と行われる暗殺もある。
言葉の誤用【い】
遺憾に思う(いかんにおもう)
○ 思い通りにいかなくて心残りに思う。
×申し訳ないと思う。
※この言葉に、謝罪や怒りの意味は含まれない。※間接的に非難する時にも用いる。
いぎたない
○いつまでも睡眠をむさぼっている。酷い寝相。
×見苦しい。
※×の意味の言葉は、「意地汚い(いじきたない)」。
いそいそ
○嬉しい事などがあったため、心をはずませて動作する様子。
×せわしない様子。こそこそとした様子。
一姫ニ太郎(いちひめにたろう)
○一番目に育てやすい女の子を、二番目に男の子を持つのが良い。
×子供は娘が一人、息子が二人であるのが良い。
一本締め(いっぽんじめ) ※【誤用とは言い切れない語】
○3拍・3拍・3拍・1拍のリズムで手を叩く。
△ 手を一度叩く。
※近年、△の意味を載せる辞書が増えてきた。
弥が上に(いやがうえに)
○ますます。既にそうである上に、一層。
×無理矢理にでも。
※「嫌が上に」と書くのは間違い。
慇懃(いんぎん)
○極めて礼儀正しい。
×表向きは極めて礼儀正しいが、実は相手を見下しているさま。また、言葉や態度は丁寧だが、度が過ぎてかえって無礼なさま。
※×の意味の言葉は、「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」。「慇懃」は「慇懃無礼」の略ではない。
言葉の誤用【う】
穿った見方(うがったみかた)
○ 物事の本質を的確に捉えた見方。
× 疑った見方。ひねくれた見方。
正答率26.4% 誤答率48.2%(平成23年度)
※肯定的な評価をする際に使う。
浮き足立つ(うきあしだつ)
○恐怖や不安で落ち着きを失う。逃げ腰になる
×楽しくなって落ち着きを失う。
※マイナスの感情が原因で落ち着かない場合に用いる。×の意味の言葉は「浮き立つ」。
雨後の筍(うごのたけのこ)
○似た物事が、相次いで起こること。
×早い成長。
嘯く(うそぶく)
○とぼけて知らんぷりをする。強がりをいう。大きいことを言う。
×嘘をついて回る。
※この言葉に、嘘を広めるという意味は含まれていない。
海千山千(うみせんやません)
○経験を十分に積み、物事の表裏を知り尽くしていて悪賢いこと。また、そのような人。
×経験を十分に積み、物事を知り尽くしている。
×技術や芸事の経験を十分に積む。
※「ずる賢い」「したたか」に近い意味。
言葉の誤用【え】
閲覧(えつらん)
○ 書類や書物などを調べながら読むこと。閲読。
× 動画を視聴すること。
言葉の誤用【お】
王道(おうどう)
○安易なやり方。
×定石通りのやり方。正攻法。
※×の意味で使うのは俗用であるが、「定石・正攻法」の意味を記載する辞書が増えてきた。
押っ取り刀で駆けつける(おっとりがたなでかけつける)
○緊急の場合に、慌てて駆けつける。
×ゆっくり駆けつける。のんびり駆けつける。
汚名挽回(おめいばんかい) ※【誤用ではない語】
○汚名の状態を元に戻す。
挽回には「よくない状態を元に戻す」という意味があるため、「汚名挽回」は「汚名の状態を元に戻す」と考えられる。「汚名(を)挽回」の用例は130年以上前に遡れて、複数の辞書が非誤用説を記載・併記している。
徐に(おもむろに)
○ 動き方が落ち着いているさま。
×不意に。唐突に。急いで。
正答率44.5% 誤答率40.8%(平成26年度)
※副詞なので、「徐に動き出す」のように後ろに来る用言を修飾する。
御の字(おんのじ)
○とても有り難いこと。望みが叶って、大いに満足していること。
×満足していないが納得してもいい。妥協する。
正答率38.5% 誤答率51.4%(平成20年度)
※妥協を表す語ではなく、「とても有りがたい時」や「大いに満足した時」に使う。また、「恩の字」と書くのは誤字。
言葉の誤用【か】
外向的(がいこうてき)
○心の働きが、自身の外側ばかりに向かうこと。
×人付き合いが上手な。
※社交性があるかどうかは関係ない。
課金(かきん)
○支払いを課する。
×料金などを支払う。
佳境に入る(かきょうにはいる)
○ 物語などが、面白いシーンに入ること。
×ある状況の最盛期に入る。
※近年、×の意味を載せる辞書が出てきた。
確信犯(かくしんはん)
○政治的・思想的・宗教的等の信念に基づいて行われる犯罪。また、その犯人。
×悪事だとわかった上で行われる、信念のない犯罪・悪さを行う人。
正答率16.4% 誤答率57.6%(平成14年度)
※元々は法律に関する学術用語で、信念のない犯罪者・犯罪ではない悪さをする人には使われていなかった。しかし誤用が定着した事で、通俗的な×の意味を記載する辞書が増えてきている。×の意味の言葉は故意犯。
割愛(かつあい)
○ 惜しみながら省略する。惜しみながら手放す。愛着の思いを断ち切る。
×重要でないものを省略する。重要でないものを手放す。
正答率17.6% 誤答率65.1%(平成23年度)
辛党(からとう)
○ 甘いものより酒が好きな人。
×辛いものが好きな人。
枯れ木も山のにぎわい(かれきもやまのにぎわい)
○つまらないものでも無いよりまし。
×人を多く集めれば賑やかになる。
正答率37.6% 誤答率47.2%(平成26年度)
※自分や身内を「つまらないもの」と謙遜して使う。
元旦(がんたん) ※【誤用とは言い切れない言葉】
○ 元日の朝
△ 元日
※元旦は「元日の朝」という意味なので、「元旦の朝」は重複表現と記載する辞書がある。その一方で「元旦」には「元日」の意味も含まれると記載するものもあり、辞書によって正誤判断が分かれている。
閑話休題
○余談をやめて、話を本筋へ戻す。それはさておき。
×これからする話は余談だけど。
可愛い子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)
○子供には苦労をさせて、人生経験を積ませよう。
×かわいい子供には旅をさせて、見聞を広めさせよう。
言葉の誤用【き】
気が置けない(きがおけない)
○ 気配りや遠慮をしなくていい。
× 気配りや遠慮をする必要がある。
※「気が置ける」は、「遠慮してしまう」という意味。それの否定形が○の意味。
奇遇(きぐう)
○ 思いがけなく出会う。
× 思いがけない事が起こる。
奇特(きとく)
○ 言行がとても素晴らしく、褒めるに値する。殊勝。
× 奇妙。風変わり。
正答率29.9% 誤答率27.9%(平成27年度)
※奇特は誉め言葉。揶揄するような意味では使わない。
逆切れ(ぎゃくぎれ)
○怒られていた人・注意されていた人が怒り出す。開き直って怒り出す。
×頭に血が上って取り乱す。
杞憂(きゆう)
○無用の心配をする。取り越し苦労。
×心配する。
琴線に触れる(きんせんにふれる)
○心の奥深くにある感動しやすい心情に触れて、感銘を受ける・与える。
×怒りを買う・不快な話題に触れること。
正答率38.8% 誤答率31.2%(平成27年度)
※何かに触れて感動することならば、どんな事(言動や芸術など)にも使える。
言葉の誤用【く】
君子は豹変す(くんしはひょうへんす)
○立派な人は、過ちをすぐに改める。
×地位の高い人が、突然横暴を働くようになる。
草葉の陰(くさばのかげ)
○あの世。
×ものかげ。
句点(くてん)
○「。」という記号。
×「、」という記号。
※「、」は読点(とうてん)。
言葉の誤用【け】
逆鱗に触れる(げきりんにふれる)
○ 目上の人の怒りを買う。
×怒りを買う。
※この言葉は、目上の人の怒りを買った時以外に使ってはいけない。
檄を飛ばす(げきをとばす)
○ 同意を求める。
×頑張るよう活気づける。
※近年、×の意味を載せる辞書が増えてきた。
獣(けもの・けだもの)
○4足の哺乳動物。
×全ての野生動物。
下世話(げせわ)
○俗世間で人々がよく口にする噂・話。
×下品な話。
言葉の誤用【こ】
号泣(ごうきゅう)
○ 大きな声で泣く。
×激しく泣く。
正答率34.1% 誤答率48.3%(平成22年度)
※大声を出して泣かなければ「号泣」の意味に当てはまらない。
更迭(こうてつ)
○ある地位や職務にある人を入れ替えること
×悪事を働いたり失敗をしたから左遷する
光年(こうねん)
○天体の距離を表すのに用いる単位。
×時間。
こころやり
○ 気晴らし。憂さ晴らし。
×心配り。
姑息(こそく)
○ 間に合わせに物事をする。その場しのぎ。
× 卑怯。
正答率15.0% 誤答率70.9%(平成22年度)
小春日和(こはるびより)
○冬の初めの、春に似た穏やかで暖かい天気。
×春のような天気
言葉の誤用【さ】
最高学府(さいこうがくふ)
○ 大学。その国の教育の最高機関。
×東京大学
逆恨み(さかうらみ)
○恨んでいる人から逆に恨まれること。好意を悪くとって逆に恨むこと。
×関係のない第三者が恨まれる。
触り(さわり)
○一番の聞かせどころ・見どころ。最も印象的な部分。要点。触れること。
×冒頭。イントロ。
正答率36.1% 誤答率53.3%(平成28年度)
言葉の誤用【し】
自意識過剰(じいしきかじょう)
○ 他人が自分をどう見ているかを、過剰に気にすること。
×ナルシシスト。自惚れること。
恣意的(しいてき) ※【誤用ではない語】
○ 自分勝手・気ままなさま。
○論理的必然性がなく、勝手気ままに振る舞うさま。
※「恣意的」の意味には、意図した行動・判断も含まれる。「恣意的」を意図的に近い意味で使うのは誤用とする説もあるが、それは俗説。
潮時(しおどき)
○ 物事を始めたり終えたりするのに丁度いい時期。好機。
× 物事の終わり。引き際。不本意だが辞める時期。不本意だが終える時期。
※マイナスの意味で使うのは誤用であり、プラスの意味で使うのが正用になる。また、「始める事」「終わらせる事」のどちらにも使える。
敷居が高い(しきいがたかい) ※【誤用とは言い切れない語】
○ 不義理をしたので相手の家に行きにくい。
△ 上品すぎて家やお店に入りにくい。家やお店に入りにくい。
× 身分・能力にふさわしくない。ハードルが高い。
正答率42.1% 誤答率45.6%(平成20年度)
※一部の辞書は、△の意味も正用としている。
自首(じしゅ)
○ 犯人・犯罪事実の両方が発覚する前に、犯人自身が警察に名乗り出て犯罪事実を申告すること。
×逮捕される前に、犯人が警察へ出向くこと。
※犯人・犯罪事実が両方とも発覚した後では自首にならない。
忸怩たる思い(じくじたるおもい)
○ 自分の行いなどを反省して、恥ずかしいと思う。
×悔しい。腹が立つ。
したり顔(したりがお)
○ 自慢げな顔つき。得意げな顔つき。
×物知り顔。
※知識の多さをアピールしているかどうかは関係ない。
十指に余る(じっしにあまる)
○両手の指では数え切れない。10以上。
×10未満の数。
失笑(しっしょう)
○思わず吹き出してしまうこと。
×笑えないほど呆れてしまうこと。冷笑。嘲笑。
正答率27.7% 誤答率60.4%(平成23年度)
※「おかしさのあまり思わず笑う」という条件を満たせば、ポジティブな笑いでもネガティブな笑いでも「失笑」の意味に当てはまる。
召還(しょうかん)
○派遣した人を呼び戻すこと。
×人を呼び出すこと。召喚。
※「召還(派遣した人を呼び戻すの意)」と「召喚(呼び出すの意)」は混同されやすい。
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言葉の誤用【す】
砂を噛むような(すなをかむような)
○無味乾燥でつまらない。
×悔しくてたまらない。
正答率32.1% 誤答率56.9%(平成30年度)
須く(すべからく)
○ 当然の事として。是非とも。
×全て。皆。
正答率41.2% 誤答率38.5%(平成22年度)
※後ろに「~べき」「~べし」という言葉を伴うのが本来の用法.
住めば都(すめばみやこ)
○住み慣れると、どんな場所でも居心地がよくなる。
×住むならば都会が良い。
言葉の誤用【せ】
性癖(せいへき)
○ 性質の上の偏り。癖。
×性的な嗜好
世界観(せかいかん)
○世界と人生の意義に関する全体的な考え方・見方。包括的な人生観。
×創作物の世界設定や雰囲気。登場人物の行動・ストーリー性に及ぼす法則性。作風。
世間擦れ(せけんずれ)
○社会で揉まれた結果、世間の表裏に通じて悪賢くなる。
×世間の常識から逸脱している。世間知らず。独自の発想を持っている。
正答率35.6% 誤答率55.2%(平成25年度)
※「擦れ」は、「様々な経験をした結果、悪賢くなる」という意味。
セレブ
○ 著名人。名士。
×お金持ち。
全然(ぜんぜん) ※【誤用とは言い切れない語】
1.○「全く」「少しも」「まるで」「まるきり」+打ち消し表現
2.○「全て」「すっかり」「あますところなく」「ことごとく」+肯定表現
3.△「非常に」「とても」+肯定表現
※2.は正用だが各種試験で不正解になる可能性があり、3.は俗用。
洗脳(せんのう)
○人の主義・思想を、強制的に改造すること。
×人の心を巧みに誘導・操作すること。
※×の意味の言葉は、マインドコントロール。
戦犯(せんぱん)
○ 戦争犯罪を犯した人。
×敗北の原因を作った人。
節操がない(せっそうがない)
○ 主義主張や信念がない。
×落ち着きがない。
言葉の誤用【そ】
粗忽(そこつ)
○ 不注意なさま。そそっかしいこと。
×乱暴。
ぞっとしない
○あまり面白くない。あまり感心しない。
×恐ろしくない。
正答率22.8% 誤答率56.1%(平成28年度)
言葉の誤用【た】
他山の石(たざんのいし)
○ 戒めや参考にすべき、他人の誤った言行。
× 手本にすべき、他人の良い言行。
正答率30.8% 誤答率22.6%(平成25年度)
※「対岸の火事(自分には無関係なので、痛くも痒くもないの意)」と混同する人がいるが、それは誤り。
黄昏れる(たそがれる)
○ 盛り時が過ぎて、衰えの見える。夕暮れ。
×物思いに耽る
他力本願
○ 自己の修行の功徳によって悟りを得るのではなく、阿弥陀如来の本願によって救済されること。
×自分は努力せずに、ひたすら他人の力をあてにすること。
※×の意味の言葉は「人任せ」。
断末魔(だんまつま)
○死を迎える直前。
×死を迎える直前にあげる悲鳴。
言葉の誤用【ち】
知恵熱(ちえねつ)
○ 生後六ヶ月前後の乳児に見られる突発的な発熱。
× 頭の使いすぎで出た発熱。
正答率45.6% 誤答率40.2%(平成28年度)
言葉の誤用【つ】
付かぬ事(つかぬこと)
○それまでの話の流れとは、全然関係のないこと。出し抜けに。
×どうでもいいつまらない事。
言葉の誤用【て】
適応(てきおう)
○ある条件や欲求などにあてはまること
○環境に合うように行動や考え方を変えること
×特定の法令や規則を、特定の事例に当てはめて働かせること。適用。
※×の意味の言葉は「適用」。
電車(でんしゃ)
○ 電力を動力源として、軌道を走る鉄道車両。
×全ての種類の鉄道車両。
天地無用(てんちむよう)
○ 上下を逆さまにしてはいけない。
× 上下を気にしないでいい。
正答率55.6% 誤答率29.2%(平成25年度)
手を拱く(てをこまねく・てをこまぬく)
○ 何もせずに傍観する。腕組みをする。
×準備をして待ちかまえる。
正答率40.1% 誤答率45.6%(平成20年度)
※「何か出来るのに傍観している場合」と「為すすべもなくただ見ているしかない場合」の両方に使える。
言葉の誤用【と】
鳥肌が立つ(とりはだがたつ)
○寒さや恐怖を感じた時、肌がぶつぶつになること。
△感動した時、肌がぶつぶつになること。
※近年、△の意味を載せる辞書が出てきた。
言葉の誤用【な】
内向的(ないこうてき)
○心の働きが、自身の内側ばかりに向かうこと。
×気弱な性格。
※気弱かどうかや、社交性は関係ない。
流れに棹さす(ながれにさおさす)
○傾向に乗じて、勢いをつける。
×流れに逆らう。
正答率23.4% 誤答率59.4%(平成24年度)
情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)
○人に親切にすれば、自分にも良い報いがある。
×情けをかけるのは、その人の為にならない。
正答率45.8% 誤答率45.7%(平成22年度)
※「他人の為ではない=自分の為である」という意味の言葉。
なし崩し(なしくずし)
○ 物事を少しずつ済ませてゆくこと。
×なかった事にすること。
正答率19.5% 誤答率65.6%(平成29年度)
※辞書によっては「うやむやにする」「曖昧にする」という意味を載せている。
中抜き(なかぬき)
○ 中間業者を抜かして、生産者と消費者が直接取引をする。中を抜き取る。中間を省略する。
× 中間業者がピンはねする。中間業者が上前をはねる。
※「中間業者がピンはねする」という意味ではなく、「中間業者をなくす」という意味。
名前負け(なまえまけ)
○ 名前が不相応に立派で、実物が見劣りしてしまう。
× 相手の名前を聞いて臆する。
正答率83.4% 誤答率9.3%(平成27年度)
言葉の誤用【に】
煮え湯を飲まされる(にえゆをのまされる)
○信用している人に裏切られ、ひどい目にあわされる。
×敵にひどい目にあわされる。
正答率64.3% 誤答率23.9%(平成23年度)
※信用していない相手の場合や、相手がいない場合は使えない。
煮詰まる(につまる)
○ 十分に議論や検討などが進み、結論を出せる段階に近づく。
×結論が出せない状態。新しい展開が期待できない状態。
正答率51.8% 誤答率40.8%(平成25年度)
にやける
○ 男性が女性のように色っぽい仕草をする。
× 薄笑いをする。
正答率14.7% 誤答率76.5%(平成23年度)
※男性のみを対象とした言葉。
言葉の誤用【は】
爆笑(ばくしょう) ※【誤用ではない語】
○1人もしくは少人数が、大声で笑うこと。
○多くの人が、一度にどっと笑うこと。
※昭和初期に一般化した言葉で、元々人数を限定する意味はなかった。
ハッカー
○コンピューターやインターネットに精通している者。
×コンピューターに侵入し、不正アクセス・破壊行為を行う者。
※×の意味の言葉は「クラッカー」。
発覚(はっかく)
○ 隠していた罪悪・陰謀などが表に現れること。
×はっきりと明らかになること。
※×の意味の言葉は「判明」
破天荒(はてんこう)
○誰も成し得なかったことを初めてする。
×型破りで大胆な様子。
正答率16.9% 誤答率64.2%(平成20年度)
※主にポジティブな意味で使う。
花も恥じらう(はなもはじらう)
○花でさえも引け目を感じるくらい美しい。
×恥ずかしがる。
早生まれ(はやうまれ)
○一月一日から四月一日までの間に生まれたこと<br
×四月二日以降の四月・五月・六月に生まれたこと
万端(ばんたん)
○その事に関する全ての事柄・方法。
×全て整う。万全。
※「準備万端整う」の「整う」のように、後ろに言葉を足すのが本来の使い方。
半時(はんとき)
○約1時間。
×30分。
言葉の誤用【ひ】
悲喜こもごも(ひきこもごも)
○悲しみと喜びを代わる代わる味わう。悲しみと喜びを同時に味わう。
×悲しむ人と喜ぶ人が入り乱れる・入り交じった。
※一人の心境を表す言葉で、複数の人の心情を表す使い方は誤用。
左巻き(ひだりまき)
○左回りに巻いていること。頭の働きが鈍いこと。
×左翼思想の人物
紐解く(ひもとく)
○書物を開く。書物を読む。
×解明すること。
言葉の誤用【ふ】
憮然(ぶぜん) ※【誤用とは言い切れない語】
○ 失望したり落胆したりしてぼんやりするさま。意外なことに驚いて呆然とするさま。
△ 腹を立てているさま。不満なさま。不機嫌なさま。
正答率17.1% 誤答率70.8%(平成19年度)
※△の意味を7割以上の人が使っていて、一部の辞書は「腹を立てているさま・不満なさま・不機嫌なさま」の意味を載せている。
二つ返事(ふたつへんじ)
○快諾すること。「はい、はい」と返事をすること。
×適当な返答。
噴飯もの(ふんぱんもの)
○あまりのおかしさに思わず笑ってしまうこと。
×腹立たしいこと。
正答率19.7% 誤答率49.0%(平成22年度)
※この語は単に笑う場合と嘲笑する場合の両方に使えるが、嘲笑する場合に使われることが殆ど。
言葉の誤用【ほ】
放射能(ほうしゃのう)
○放射線が放出される能力・性質。
×放射性物質。放射線。
傍証(ぼうしょう)
○間接的に役立つ証拠。
×それなりに信頼性のある証拠。
募金(ぼきん)
○寄付金などを募る。
△寄付をする。
※近年、△の意味を載せる辞書が出てきている。
言葉の誤用【ま】
まんじりともせず
○少しも眠らないで。
×少しも動かないで。
正答率28.7% 誤答率51.5%(平成25年度)
言葉の誤用【み】
水菓子(みずがし)
○くだもの。
×水気の多い菓子。
耳障り(みみざわり)
○聞いていて不愉快に思ったり、うるさく感じたりするさま。
×聞いた時の印象。
※×の意味の言葉は「耳触り(みみざわり)」で、手触り・肌触りの類推から用いられるようになった。
言葉の誤用【め】
目障り(めざわり)
○見ていて不愉快に思ったり、物を見るのに邪魔になること。
×見た時の印象。
※×の意味の言葉は「目触り(めざわり)」で、手触り・肌触りの類推から用いられるようになった。
言葉の誤用【も】
モラルハザード
○「危険回避の仕組みが、かえって加入者の自己管理能力を低下させ、危険の発生率を上げる」という保険業界の用語。また、依頼を受けたエージェント(代理人)が自身の利益のために、プリンシパル(委託者)の利益に反した行動をとること。
×倫理崩壊
言葉の誤用【や】
やおら
○ゆっくりと事を行うさま。
×急に。唐突に。
正答率39.8% 誤答率30.9%(平成29年度)
※「やおら歩き出す」のように副詞として使う。
役不足(やくぶそく)
○ 本人の力量に対して、与えられた役目が軽いこと。
× 与えられた役目を全うする力量がないこと。
正答率41.6% 誤答率51.0%(平成24年度)
※×の意味の言葉は、「力不足」。
やぶさかで(は)ない
○躊躇わずに~する。~する努力を惜しまない。喜んで~する。
×仕方がないから~する。~したくない訳ではない。~してみてもいい。
正答率33.8% 誤答率43.7%(平成25年度)
※「~にやぶさかで(は)ない」の形で使われることが多い
言葉の誤用【ゆ】
ユニーク
○独特であるさま。
×面白いさま。
言葉の誤用【り】
リーズナブル
○納得できる。
×安い。
リベンジ
○仕返しする。報復する。
×再挑戦する。雪辱する。
言葉の誤用【わ】
悪怯れる(わるびれる)
○ 気後れがして恥ずかしくなったり、卑屈になったりする。
× 悪事を行って悪いと思う様子。ふてぶてしい振る舞い。
※悪事に限定された意味ではなく、後に打ち消しの語を伴ってよく用いられる。周囲の人間が「恥ずかしがる・卑屈になるのが当然」と思う場面で、平然としている人によく用いられる。
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